正しい英語の発音はなぜ大切か?
今まで、英語が話せると起きる4つの変化、英語を聴くコツ、読むコツなどについて書いてきました。今回は話すこと。その中でも“英語の発音”にフォーカスします。
“英語は通じればいいのでは? 別にネーティブ並みの発音でなくても日本人なまりがあってもいいのでは?” いろいろな国のなまりもあって当然では?
確かにそれは一理ありますね。
日本人の完璧主義が英語の習得を阻んでいるのは確かにそうです。
たとえば、聞こえてくる英語は全部完璧に理解したい!英語を読むならすべて理解できないと読めた気がしない。書くのも文法が間違うかもしれないから自分から進んで敢えて英語を書こうとしない!そして話すのもネーティブのように発音して、ペラペーラと話したい、でもできないから英語を話そうとしない。
これはもちろんNGです。
確かにその国のなまりは“あり”です。しかし、そのなまった英語が相手に通じないのでは困ります。英語の発音、アクセントなどしっかり学ぶ必要がありますよね。
青木が2016年に外国語教育メディア学会の機関紙、“Language Education&Technology”
に寄稿した英語論文の中で、いかに発音(この論文ではアクセントが中心でしたが)の不正確さがコミュニケーションをスムーズにすることを阻むかなどを書きました。言いたいことが通じればいいのだというcommunicative approachという教授法が主流になるにつれ、発音教育が軽んじられ、ほとんど行われてこなかった歴史、また英語教育をする指導者が、発音を教えるような訓練をされなかったがゆえに、自信のなさから発音を教えないという悪循環が生まれてきたことも書きました。
そういえば昔、“発音記号”というものを習いましたが、それがどんな風に発音するのかというのを学校で教えられた記憶がありませんし、今は発音記号を一部を除く学校を除いては全く教えられないようです。
私も遠い昔、アメリカに初めて訪れた時に、自分が正しいと思っていた英語の発音が全然封じず大変な思いをしました。ジェスチャーや絵をかいたりしてなんとかしのぎましたけど、とても悔しかったのを覚えています。
Vanilla ice cream, laundry, などなど今でもそのシーンを思い出します。
子音よりも母音が難しいような気がしますが、何にしろきちんと発音ができないと、聴き取りにも支障がでます。
特に、単体の単語だけではなく、文になるとある音が消えてしまったり、省略されてしまったり、変化してしまったりする場合も多くあります
。
例えば I haven’t seen him. の場合シーン (ヒ)ムのヒが消えて シーン イムみたいに聞こえるのです。
さてどうすればいいのか?
1.恥ずかしがらないで
思いっきり口を動かして聞こえた通り発音してみましょう。恥ずかしがっていると上達しません。
2.基本的な発音記号を学びましょう。
発音記号は最近では中高で教えていないようえすが、とても大切です。発音記号を学び、そしてまずその子音、母音の単音がどのように発音されるかを勉強しましょう。見ているだけではだめです。実際にやらないと身に付きません。ネーティブ゙や正確な発音の身についている日本人の英語の先生に教えてもらってもいいですし、you tubeなどでいろいろな講義をしているビデオがあります。手鏡でも見ながら自分の舌の位置、唇の形がちゃんとできているか確認しましょう!特に[a]が難しいです.[a] [ʌ][ æ][ə」など。
子音では[θ][ ð ][l] [r][f][v]などが特に特訓が必要です。舌の位置や動き、唇の丸め方などかなりの訓練が必要です。
3.単音が発音できるようになったら、それを文章の中で発音してみましょう。
英語の発音は前後の英単語によって変化する場合があります。単語同士の音の連結をリンキングと呼び、音の欠落をリダクションと呼びます。
連結の例) 二つの単語が一つの単語として発音される
Get up (ゲラップ) feel like (フィーライク) pick it up (ピッキットアップ)
欠落の例)本来発音される音が発音されない
Little (リロー) not at all (ノラロール) next morning (ネクスモーニング)
これが言えるようになると、英語もよく聴こえるようになります。
CDの後について音読するのが効果的。できるだけ真似してみましょう。
4.発音しにくい単語や英文をチェックしましょう。
生徒さんに英語の文をリピートしてもらうと、呂律が回らなかったり、途中で詰まってしまう単語や英文など、必ずあるものです。書き出して何度も練習してみましょう。
発音できるようになると、不思議と英語が聞こえるようになるものです。
そして一番大切な事!多少自信がなくとも、大きな声で思いっきり話しましょう。日本人はとかく声が小さくてただでさえ何を言っているのか聞き取れない場合が多いのです。
いかがでしたでしょうか?早速発音の訓練をしてみましょう!
このような発音の大切さを考え、また、発音をきちんと習えるところが少ないという点を考慮し、発音セミナーを行い、大変好評を得ております。今月の10月で三回目の発音セミナーです。そして引き続き11月も行う予定です。ぜひお越しください!