なぜ英語が読めるのに聴けないの?

英語を学んでいて、「英文は読めるのに、ネイティブの会話は聞き取れない…」と感じたことはありませんか?
今回は、そんな悩みに共感するある出来事をきっかけに、「聴ける耳」を育てるための具体的なトレーニング法をご紹介します。

アメリカに住んでいる時、ある日本人駐在委員のご家庭を訪ねたことがあります。
リビングのテレビには、英語の番組に英語字幕スーパーをつける機械が取り付けられていました。

「なぜ?」と尋ねると、こんな答えが返ってきました。
「英語は聴き取れないけど、英語字幕が出るとわかるから助かるのです」

この機械は、耳が聞こえない人が導入する機械で、TVのすべての音に英語の字幕スーパーがでるものです。
しかし、彼らの言葉がずっと頭に残っていました。このことをアメリカ人の友人たちに話すと驚いていました。
“え?読めるのに、聴き取れないの?”と。

「読める」のに「聴けない」…実はよくある話。
これは多くの学習者がぶつかる壁です。

英語の文章は理解できる。
文法や語彙もそこそこわかる。
でも、ネイティブの会話になると音がつかめない。
その理由は、「音」と「意味」の結びつきが弱いためです。

なぜ英語が聴き取れないの?
3つの具体的な理由

1) 音がつながったり、消えたりする(リンキング・リダクション)
英語は、単語同士が自然につながって発音されるため、知っている単語が“別の音”に聞こえます。

例:
“Did you eat?” → “ジューチュ?”
“What do you want to do?” → “ワダヤワナドゥ?”
“I’m going to go.” → “アイムゴナゴー”

ポイント:
単語をバラバラに覚えるのではなく、「音の流れ」で覚えることが大切です。

2) 強弱のリズム(ストレス)の違い
英語では、重要な単語(名詞・動詞など)は強く、前置詞や助動詞などは弱く読まれます。

例:
“Can you help me?” → 「HELP」が強調され、「Can」や「you」は弱く曖昧に
“I want to go.” → 「WANT」「GO」が強く、「to」は弱くなる

日本語との違い:
日本語はすべての音が均等なリズムで発音されるため、英語の“強弱リズム”が聞き取りにくくなります。

3) スペル(文字)と音の結びつきを学んでいない
英単語は綴りと音の関係が不規則なことが多く、視覚で覚えた単語を耳で聞いても認識できないことがあります。

例:
“read”(リード/レッド)→ 時制によって読み方が違う
“choir” → 「クワイヤー」
“cough / though / tough” → 綴りは似ていても音はバラバラ

結果として、知っているはずの単語が、耳から入ったとたん“別物”に感じてしまうのです。

さて、 聴ける耳を育てる!
4つの実践トレーニングをご紹介しましょう。

1) 英語字幕でドラマや映画を見る

目的:音と文字のリンクを作る
英語音声+英語字幕で観る(例:『Friends』『The Crown』など)
聞き取れない部分は一時停止して確認
気に入ったセリフは声に出してマネする!

2) スクリプト付きシャドーイング

目的:耳・口・脳を連動させる
TED TalksやBBC Learning Englishを活用
一文ずつ再生 → 聞こえたとおりにマネして発音
スクリプトあり→なしへと段階的に練習

3) 音読+録音 → 自分で聞いて比較

目的:自分の音とネイティブの違いを発見する
短い英語の文章を選んで音読・録音
自分の音声とネイティブ音声を聞き比べてみる

4) ディクテーション(聞き取り書き取り)

目的:音の細部まで聞き取る力を育てる
短い音声を一文ずつ再生し、聞こえたまま書き取る
スクリプトで答え合わせ → 聞こえなかった音の分析

まとめとしては。。。

英語が「読める」のに「聴けない」のは、珍しいことではありません。
でも、聴けないのは“才能の差”ではなく、“音への慣れ”の問題です。
耳と脳を少しずつ英語の音に慣らしていけば、きっと「読める英語」が「聞き取れる英語」に変わっていきます。

まずはできるものから、今日5分だけでも始めてみてください!

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