インドに出張に行くビジネスマンから、インド英語は聴き取りにくいと聞いたのだが、いい教材はないかと聞かれたことがあります。
また私自身も、インド出身の友人と英語を話しているときに、どうにも聴き取れない所がよくあり、”Sorry, what’s that?” “Did you say~?“なんてよく聞き返します。
インドにかぎらず、アフリカから教会に来た方と英語で話したことがありますが、よく聴き取れませんでした。
英語のなまりがある外国人から聞き取るのって、ネイティブ英語とはまた別の難しさがありますよね。
どうしたらいいのでしょう?
なまりのある英語に対応力をつけるには、以下の方法が効果的です。
1. さまざまな英語に触れる(リスニング多様化)
アメリカ英語、イギリス英語だけでなく、インド英語、シンガポール英語、アフリカ系英語、ヨーロッパ系英語など、いろんな国の英語を聞く習慣をつける。
YouTubeで「Indian English speakers」「Nigerian English interview」「French accent English」など検索すると、たくさん出てきます!
BBCの「The Documentary」シリーズ(いろんな国の英語が聞けます)
TED Talks(登壇者が世界中から来ています)
Netflixの海外ドラマ(韓国ドラマやインド映画の英語吹き替えも面白い)
2. 「なまり」のパターンを知る
どんななまりにも「特徴的な発音のクセ」があります。
例)インド英語 → rをはっきり発音、母音が強め
例)フランス系英語 → thがzやsっぽくなる(this → zis)
こういう典型的な音の変化パターンを知ると、聞き取りやすくなります。
3. 単語ではなく「意味のかたまり」でとらえる練習
なまりが強いと、単語一つ一つを完璧に聞き取ろうとすると無理になります。
なので、「文全体の流れや意味」で予測しながら聞く!
たとえば、
「I go to the store.」が「I go to ze estore.」に聞こえても、話の流れで「storeだろうな」と推測できる。
4. 慣れるまで焦らない!
最初から全部聞き取れなくても大丈夫。
「最初の言葉、わからないな」→「でも話題はこうかな」と推測していく癖をつけると、だんだん耳が育ちます。
アメリカ人のネイティブですら、なまりの強い英語を最初から全部わかるわけじゃないです。
アメリカの大学で、インドからの数学の教授の英語での授業が全く理解できないと話すアメリカンの学生がいました。
まとめると、
2) なまりの特徴をざっくり理解する
3) 意味のかたまりで聞く練習
4) 完璧を求めず慣れるまで続ける
それでは、「なまり別・おすすめ練習素材リスト」をまとめます。
1) インド英語
特徴
r音が強い
母音が強調される
文法的にもインド独自の英語表現が出ることあり
練習素材
【YouTube】”BBC Learning English ? Indian English Accent”
【TED Talk】Kiran Bedi「How I remade one of India’s toughest prisons」(超聞きやすいインド英語)
【Podcast】”The Musafir Stories”(インド旅行トーク)
2) フランス系英語
特徴
thがzやs音に
hを発音しないことがある
語尾の母音が強め
練習素材
【YouTube】”French People Speaking English Compilation”
【TED Talk Cedric Villani「What’s so sexy about math?」
【Podcast】”The Earful Tower”(パリ在住者による英語ポッドキャスト)
3) シンガポール英語(シングリッシュ)
特徴
文末に「lah」「meh」などが付く
文法が簡略化されている(省略が多い)
音のリズムが独特
練習素材
【YouTube】”How to speak Singlish”(BBCニュース)
【TED Talk】Josephine Teo「The secret to Singapore’s low unemployment」
【Podcast】”Yah Lah BUT…”(カジュアルな英語トーク)
4) アフリカ系英語(ナイジェリア英語など)
特徴
音がはっきりしている
母音のリズムがリズミカル
特定の表現や言い回しに文化的背景あり
練習素材
【YouTube】”BBC Africa English interviews”
【TED Talk】Chimamanda Ngozi Adichie「The danger of a single story」(すごく有名らしい)
【Podcast】”The Nigerian Experience Podcast”
5) ヨーロッパ系英語(ドイツ、スペイン、イタリアなど)
特徴
母語の影響で子音が強い
特定の母音・子音にクセが出る
イントネーションが独特
練習素材
【YouTube】”German Accent Speaking English Funny Compilation”
【TED Talk】Roberto D’Angelo & Francesca Fedeli「Inspiring story of their child’s stroke recovery」(イタリア人夫妻)
【Podcast】” Easy German Podcast”
(おすすめ練習方法)
2回目:わからない単語・発音を確認
3回目:シャドーイング(発音マネして口に出す)
4回目:まとめてディクテーション(書き取り)
毎日5~10分でもOK!続けると確実に耳が育ちます!
勿論、全部やる必要はありません。自分が慣れてみたい国の英語をピックアップして耳を鍛えるとよいでしょう。