日本語脳から英語脳へ切り替える

日本語脳から英語脳へ切り替える。

英語を学ぶ多くの人が口にする悩みがあります。

「英語を耳に入れても意味が“日本語として”しか出てこない」
「話すとき、日本語で考えてから英語にするので遅い」

実はこれ、日本語脳で英語を処理していることが原因です。

日本語脳とは「英語を日本語に置き換えて理解する脳の使い方」。
英語脳とは「英語を英語のまま理解する脳の使い方」。

この“回路”の切り替えが起こると、英語の理解スピードが一気に上がります。
そしてこの切り替えは、才能ではなく、脳の仕組みと訓練で必ず起こるものです。
ここでは、その“切り替えの瞬間”がどのように訪れるのか、そしてどうすればもっと早く切り替えられるのかを深掘りします。

そもそも「英語脳」とは何か?

英語脳とは、英語を日本語に変換せず、イメージと言語を直接結びつける脳の働きのこと。そのためには・・・

☆チャンク(意味のかたまり)で理解する
英語は単語の寄せ集めではなく、一定のリズムや塊(chunk)で理解されます。

例)
take care of → 世話をする
on the same page → 理解が一致している
It depends. → 場合によるよ

これらは単語を1つずつ訳すのではなく、“状況に応じたまとまり”として処理されます。

☆語順のまま理解できる
英語脳になると、英語の語順(SVO)でそのまま意味が流れてくるようになります。

“I want you to understand the process.”
→ 「私は/あなたに/理解してほしい/そのプロセスを」

日本語脳だと「私はあなたにそのプロセスを理解してほしいと思っている」と語順変換が必要ですが、
英語脳は変換せず、そのまま入ってくる。

☆映像・イメージで判断する
ネイティブは英文を読むとき、「言葉→イメージ」が即座に浮かびます。
たとえば “He burst into laughter.”

日本語脳:burst(破裂?)→ into(~の中へ?)→ laughter(笑い?)
英語脳:大笑いする(情景が即浮かぶ)

この“即座のイメージ化”こそ英語脳です。
日本語脳のままでは限界が来る理由としては、日本語と英語は、語順・情報構造・音の処理方法が根本的に違います。

その他日本語脳で英語を処理すると…

1)語順変換で脳がパンクする
英語は「結論 → 説明」。日本語は「説明 → 結論」。

例)
英語:I decided to take the job because the team was great.
日本語:チームが良かったので、その仕事を受けることに決めた。

英語脳:聞きながら理解
日本語脳:最後まで聞かないと意味がわからない

2)「訳す」作業が時間を浪費する

英語 → 頭の中で日本語に変換 → 理解

このステップを毎回やっていると、リアルタイム会話には絶対追いつけません。

3)音が意味につながらない
英語は「音連結・脱落・弱形」が多い。

例:
Did you → diju
want to → wanna
going to → gonna

日本語脳だと単語ベースで聞くため、音の変化に対応できません。
そして、切り替えの瞬間は、実は“突然”やってきます。
英語脳への切り替えは、長時間勉強した人だけの特権ではありません。

切り替わる瞬間の典型ケースとしては、

1)リスニングで
「あれ?訳してないのに意味が入ってきた…」と感じる瞬間。
これは脳が「英語 → 日本語 → 理解」ではなく、「英語 → 理解」に切り替わった証拠。

2)会話で
日本語で文章を組み立てなくても、英語が“湧いてくる”ように出た瞬間。

例:
人が “How was your trip?” と聞いてきて、反射的に“It was amazing! I loved the city.”と返せた時。

3)読解で
簡単な英文が“日本語なしでスッと”理解できた時。
これはまさに英語の語順で処理できている状態。

ここからは「英語脳になるための具体策」を、“今日からできるもの”に絞って紹介します。

1)シャドーイング(意味を理解したうえで)
→ 英語の語順で意味を受け取る訓練
(前のメルマガでも紹介しましたね。)

(1)意味を理解する
(2)スクリプトを見て音を追う
(3)スクリプトなしで追う

「訳す前に音を処理する」最強トレーニングです。

2)チャンクで覚える

例:
at the end of the day → 結局
make sense → 理解できる
a big fan of → ~が大好き

チャンク=英語の思考単位。
これが増えると処理スピードがUPします。

3)“瞬間英作文”より“瞬間英反応”

日本語→英語の作文ではなく、

How’s it going? → Good, how about you?
What’s this for? → It’s for the report.

このような“反射的な返答”を訓練するのがいいです。
TOEICのリスニングセクションの問題に答えるという練習もGOOD!

4)英語で考える短時間ルーティン

朝5分でOK。

“今日は寒いな” → It’s chilly.
“コーヒー飲みたい” → I need some coffee.

のように脳に「英語の回路を使う時間」を与える。

5)背景知識 × 英語の組み合わせ
(これもメルマガで取り上げましたね。)
ニュース英語などは、内容を日本語で先に理解→英語で聞くの順番が最も効果的。
これは“英語脳スイッチ”を入れる最高の方法。

英語脳は“スイッチ”ではなく“グラデーション”。
少しずつ以下の変化が起こります。

☆語順のまま意味が流れてくる
英語特有のリズム・順序が自然に入る。

☆日本語での翻訳が消えていく
頭の中の日本語の声が徐々に小さくなる。

☆“英語のテンポ”で考えられる
話すスピードと考えるスピードが一致する。

☆映画やYouTubeの簡単な会話がわかってくる
英語脳は主に「日常英語」で育つ。

英語脳への切り替えは、“ある程度継続した人には必ず訪れる現象”です。
そして切り替えの決め手は 完璧な勉強、長時間の勉強ではなく、

「脳が英語の語順・音に慣れること」
「イメージで理解する習慣」
「英語を使う“小さな時間”の積み重ね」
です。

今日の5分が、あなたの英語脳を確実に育てています。
焦らなくて大丈夫。切り替えは“ある日突然”やってきます。
頑張りましょう!