横文字だらけの新聞

新聞やニュース記事を読んでいて、「横文字」がやたら多いと感じたことはありませんか?
たとえば…

「コンプライアンス違反で処分」
「宇宙ごみ(デブリ)除去技術」
「リスキリングを促進」

知っている人には当たり前でも、初めて目にする人は文脈から推測するしかないこともあります。
今回は、新聞記事に頻出する横文字の意味と使い方を少し解説します。

まず、なぜ新聞は横文字を使うのでしょうか?

1. 専門的ニュアンスを保つため
日本語に訳すとニュアンスが狭まってしまうことがあります。
例:「コンプライアンス」を「法令遵守」と訳すと法律だけの印象になりますが、実際は「倫理や社会的規範」まで含みます。

2. 国際的に通じやすい
国際ニュースやビジネス記事では、英語由来の用語を使った方が海外の動きや用語との整合性が取りやすいのです。

3. インパクトが出る
カタカナ語は短く見出しに収まりやすく、新しい響きがあるため注目されやすい傾向があります。

次に、新聞頻出の|ジャンル別・横文字リストを少し紹介しますね。

☆法律・経済・ビジネス系

コンプライアンス(Compliance):法令・規則・倫理を守ること
ガバナンス(Governance):組織の統治や管理の仕組み
スキーム(Scheme):計画や枠組み、仕組み
リスキリング(Reskilling):新しいスキルの学び直し
インセンティブ(Incentive):やる気を引き出す報酬や仕組み

☆科学・技術・環境系

デブリ(Debris):宇宙ごみ、破片
ドローン(Drone):無人航空機
プラットフォーム(Platform):基盤となる仕組みや環境
カーボンニュートラル(Carbon Neutral):二酸化炭素排出量を実質ゼロにする
エビデンス(Evidence):証拠、裏付け

それでは記事での使われ方&英文例を紹介します。

コンプライアンス
大手企業がコンプライアンス違反で処分を受けた。

The major company was penalized for a compliance violation.

デブリ
国際宇宙ステーション周辺でデブリの接近が確認された。

Debris was detected near the International Space Station.

リスキリング
政府は労働者のリスキリング支援を強化する方針を発表した。

The government announced plans to support workers in reskilling.

プラットフォーム
新しい教育プラットフォームが全国で導入される。

A new educational platform will be introduced nationwide.

どうしたら横文字を読み解くことができるでしょうか?
3つのコツがあります。

(1)文脈から推測する

例:「デブリ」→宇宙関連の記事なら「宇宙ごみ」と推測できる。

(2)日本語に置き換えてみる

置き換えて意味が通じればOK。「ガバナンス」→「組織の管理」。

(3)元の英語を知る

カタカナ語の多くは英語由来。元の意味を知れば応用範囲が広がります。

横文字は難しそうに見えても、背景や元の意味を知れば理解が深まります。
意味がわかると、ニュースはもっと面白くなりますよ。

注意しないといけないのは、中には、英語の意味とかけ離れて、日本独特に使っている横文字もあることです。
いわゆる和製英語ですね。
少しだけ例をあげますね。

1. サラリーマン

日本での意味:企業に勤める会社員(特に男性)
英語本来の意味:”Salaryman” という単語は英語にはほぼ存在せず、通じません。
英語では office worker や businessman を使います。

2. コンセント

日本での意味気の差し込み口(プラグの受け側)
英語本来の意味:”Consent” は「同意」という意味。電気用語としては outlet や socket を使います。

3. マンション

日本での意味:中高層の集合住宅(分譲・賃貸)
英語本来の意味:”Mansion” は「大豪邸」。集合住宅は apartment や condominium。

4. ペンション

日本での意味:小規模な洋風宿泊施設
英語本来の意味:”Pension” は「年金」。宿泊施設は guesthouse や inn。

5. ノートパソコン

日本での意味:持ち運び可能な小型パソコン
英語では laptop や notebook computer

このように注意しなければならない横文字もありますが、ちゃんと正しく使われている横文字をきちんと理解するといいと思います。

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