英語を話すとき、文法的には正しいのに「少しきつく聞こえる」「相手が不快そうな顔をする」という経験はありませんか?
先週は日常会話編について書きましたね。今週は、ビジネス編です。
ビジネスの現場でも、直接的すぎる表現や短すぎる言い回しは「失礼」「協調性がない」 と思われる危険があります。
実際、外資系企業や国際会議では、相手を尊重しながらも意見を伝える言い方が求められます。
今日はそんな「微妙に失礼に聞こえる英語表現」を、会議でのダイアローグ例と共に10個紹介します。
1. 拒否の場面
(よくない例)
A: We can’t do that.
(冷たく響く)
(冷たく響く)
(やわらかい言い回し)
A: That might be challenging under the current framework.
We’d need to revisit our priorities before committing to that.
: (条件次第で検討できそうに聞こえる)
We’d need to revisit our priorities before committing to that.
: (条件次第で検討できそうに聞こえる)
日本語訳
A: 現在の枠組みでは難しいかもしれません。
優先順位を見直す必要がありますね。
優先順位を見直す必要がありますね。
2. 意見を否定する場面
(よくない例)
A: Paris is the capital of Italy.
B: That’s wrong.
B: That’s wrong.
(やわらかい言い回し)
A: Paris is the capital of Italy.
B: I see where you’re coming from, but actually the data suggests otherwise―Rome is the capital.
B: I see where you’re coming from, but actually the data suggests otherwise―Rome is the capital.
日本語訳
A: パリはイタリアの首都です。
B: そう思うのもわかりますが、データによると首都はローマです。
B: そう思うのもわかりますが、データによると首都はローマです。
3. 進捗を指摘する場面
(よくない例)
Manager: You didn’t finish the task.
Staff: (責められた気分…)
Staff: (責められた気分…)
(やわらかい言い回し)
Manager: It looks like the task hasn’t been completed yet.Is there anything blocking the progress?
Staff: (助けてもらえる雰囲気に感じる)
Staff: (助けてもらえる雰囲気に感じる)
日本語訳
マネージャー: タスクがまだ完了していないようですが、進行を妨げている要因はありますか?
4. 理解できなかったとき
(よくない例)
A: I don’t understand.
B: (説明が悪いと言われたように感じる)
B: (説明が悪いと言われたように感じる)
(やわらかい言い回し)
A: Could you walk me through that again? I might need a bit more context to fully grasp this.
B: (前向きで丁寧に聞こえる)
B: (前向きで丁寧に聞こえる)
日本語訳
もう一度説明していただけますか?理解を深めるために少し背景が必要かもしれません。
5. 役割分担の場面
(よくない例)
A: That’s not my job.
B: (協力する気がない印象)
B: (協力する気がない印象)
(やわらかい言い回し)
A: That’s beyond my current responsibilities, but I’d be glad to support if needed.
B: (協調的に聞こえる)
B: (協調的に聞こえる)
日本語訳
A: それは私の担当範囲を超えていますが、必要ならサポートしますよ。
6. 納期を伝える場面
(よくない例)
A: We need this done by tomorrow.
B: (プレッシャーが強い)
B: (プレッシャーが強い)
(やわらかい言い回し)
It would be great if we could have this done by tomorrow.
または
If possible, having this by tomorrow would really help.
B: (協力依頼として自然に聞こえる)
または
If possible, having this by tomorrow would really help.
B: (協力依頼として自然に聞こえる)
日本語訳
もし可能であれば、明日までに仕上げてもらえると助かります。
7. 感情的な相手への声かけ
(よくない例)
A: Calm down.
B: (さらに怒りが増す)
B: (さらに怒りが増す)
(やわらかい言い回し)
A: Let’s pause for a moment and reassess the situation.
B: (冷静に考える雰囲気に変わる)
B: (冷静に考える雰囲気に変わる)
日本語訳
A: 落ち着いてください。少し立ち止まって、状況を整理しましょう。
8. 担当外の依頼を受けたとき
(よくない例)
A: That’s not my job.
B: (非協力的な印象)
B: (非協力的な印象)
(やわらかい言い回し)
A: It’s not within my scope, though I can connect you with the right person.
B: (前向きに受け止められる)
B: (前向きに受け止められる)
日本語訳
A: 私の担当範囲ではありませんが、適任者をご紹介します。
9. 予算が足りないとき
(よくない例)
A: We don’t have money for that.
B: (冷たく感じる)
B: (冷たく感じる)
(やわらかい言い回し)
A: Given our current budget constraints, we may need to prioritize other initiatives.
B: (建設的な印象)
B: (建設的な印象)
日本語訳
A: 現在の予算制約を踏まえると、他の案件を優先する必要がありそうです。
10. 提案が非現実的なとき
(よくない例)
A: That’s impossible.
B: (突き放された印象)
B: (突き放された印象)
(やわらかい言い回し)
A: That might be ambitious given our current timeline.
We’d need to adjust our resources significantly to make that feasible.
B: (前向きに受け止められる)
We’d need to adjust our resources significantly to make that feasible.
B: (前向きに受け止められる)
日本語訳
A: 現在のスケジュールを考えるとかなり野心的です。それを実現するには大幅なリソース調整が必要になりますね。
ビジネスの場では、特に直接的すぎる言葉は「攻撃的」「非協力的」**に響きやすいものです。
同じ内容でも、少し表現を工夫するだけで「協調的で洗練された印象」に変わります。
明日の会議やメールで、ぜひ今日のフレーズを活用してみてください