英語ニュースを聞くとき、
「単語はわかるのに内容がつかめない」「聞き流してしまう」
そんな経験はありませんか?
その原因は語彙力やリスニング力の不足ではなく、「スキーマ(schema)」の欠如かもしれません。
スキーマとは―人―人がこれまでの経験や知識から作り上げた「意味の枠組み」のことです。
たとえば。。
– “COP29” → 国際的な気候会議
– “Fed” → アメリカの中央銀行
こうした知識がある人は、ニュースを聞いた瞬間にイメージが浮かびます。
一方、スキーマがない人は、単語を1つずつ理解しようとして、頭の中で処理が追いつかなくなります。
つまり、英語ニュースを理解する力とは――
「音を聞く力」+「背景知識のストック」=理解力 なのです。
日本語の新聞やニュースを読むと、英語ニュースの内容が“先に頭の中に入っている”状態になります。
すると、英語を聞いたときに、「次にこういう話が出てくるはず」という予測ができるようになります。
これが理解のスピードアップにつながるのです。不思議なくらい理解できます。
例:日本語ニュースで「アメリカの金利が据え置かれた」と知っていると、
英語で “The Federal Reserve decided to keep interest rates unchanged.”
という文が、単語を全部聞き取らなくても理解できます。
同じニュースを聞いても、背景を知っている人と知らない人では「理解度」に大きな差があります。
背景知識がある学習者は流れを予測でき、文の途中で意味をつかむことができます。
一方で、背景を知らない学習者は、単語を拾うのに精一杯で、最後まで聞かないと理解できません。
つまり、「日本語ニュースを読むこと」は英語学習における準備運動。
ニュース英語を“追いかける”のではなく、“理解しながら聞く”力を育てます。
☆おすすめの学習ステップ
Step 1:日本語で内容を先に理解
→ 朝の日本語ニュース(NHK、日経、Yahoo!ニュースなど)で「今日の話題」をチェック。
Step 2:同じテーマの英語版ニュースを聞く
→ NHK World、BBC News Japan、CNN 10 などで同じ内容を英語で視聴。
Step 3:スクリプトを読んで、単語・表現を確認
→ 例えば、“interest rate hike”, “peace talks”, “global warming” などを書いていく。
Step 4:再度聞いて、どこまで理解できるか試す
→ 背景を知ったうえで聞くと、「音」が意味として自然に入ってきます。
英語ニュース理解のコツとしては。。。
1. “What’s going on”を知ることが理解の近道
知らない話題=聞き取れない話題。背景を知っておくことが最強の予習です。
2. 単語帳より“時事ネタ帳”を作ろう
英語ニュースでよく出る表現を、自分の言葉でメモ。
例)“sanctions”, “budget deficit”, “climate summit” など。
3. 「同じニュースを日本語→英語」で聞く
NHK WORLDやVOAには、同じ内容を日本語・英語で発信している記事もあります。
リスニングとは、「音を聞き取ること」ではなく「意味を理解すること」。
そのためには、知識のストック=スキーマが不可欠です。
英語ニュースを理解するコツは、“英語だけ頑張らない”こと。日本語ニュースで先にスキーマを作っておくことで、英語のスピードや表現の壁をスッと超えられるようになります。
つまり、「日本語の新聞を読むこと」も立派な英語学習です。
毎日の情報インプットが、みなさんの英語力を底から支えてくれます。

